私たちは人生を浪費している
私たちの人生は決して短くない
「忙しい」という言葉を日常的に使っていませんか?
仕事・友人関係・自分のしたいこと・・・
私たちの身の回りには、時間を消費させるもので溢れています。中には、自分の時間が取れず「時間がない」と感じている人も多いと思います。
古代ローマの哲学者のセネカは、次のように言っています。
ひとの生は十分に長い。そして、偉大な仕事をなしとげるに足る時間が、惜しみなく与えられているのである。ただし、それは、人生全体が有効に活用されるならの話だ。
ーセネカー
つまり、”時間の使い方が上手い人の人生は十分に長く、時間の使い方が下手な人の人生は短い”と言っているのです。
厳しい言い方ですが、もしも「もっと自分の時間が欲しい」と思っているのなら、”時間の扱い方”を知り実践することが大切です。
お金は節約するけど、時間は浪費する
あなたは、本当に時間を大切にしていますか?
もちろん!と答えた人も1度立ち止まって考えてみてください。
ここで一つ例を挙げてみましょう。
あなたは街で、「500円ください」と言われたら、500円渡しますか?
多くの人は、怖くて渡さないと思います。
しかし、こう質問されたらどうでしょうか?
「10分だけアンケートに答えてもらえないでしょうか?」
こういわれると、立ち止まって協力する人はいるのではないかと思います。
しかし、人生はその人の時間そのものです。
お金は渡さないけど、時間は人のために使うとい人は少なくありません。
人は、自分の財産を管理するときには節約家だ。ところが、時間を使うときになると、とたんに浪費家に豹変してしまう。
ーセネカー
これには心当たりがある人も多いのではないかと思います。
ここでもう一度質問します。
あなたは、本当に時間を大切にしていますか?
お金に長けている人が、小さな元銭から大金を作るように、時間の扱いに長けている人は、人生のでやりたいことをなんでもする時間を作ってしまうのです。
1番してはいけないこと
時間の扱い方をマスターすれば、時間を作り出せることはなんとなく理解していただけたのではないかと思います。
ここでは、時間の扱い方をマスターするうえで1番してはいけないことを紹介します。
多忙が一番いけない
結論から言うと、それは『多忙』です。
セネカは、「生きること」は学ぶべき学問だと考えており、その人は以下のような特徴があると言います。
・”時間を大切にすることが人生を大切にすること”に繋がると理解している
・時間を大切にしている人は、”他人に時間を奪われることを決して許さない”
意識することは、今日を大切に生きること
セネカは、多忙の中で生きた人のことを”長く存在しただけ”だといいます。
自分の人生を生きず、他人の人生に振り回されてばかりの人に対して、「それは本当に生きているの?」と厳しい質問を投げかけているわけです。
具体例で考えてみましょう。
ある航海士が港を出たとします。そのあとすぐに、激しい嵐に巻き込まれて同じところをくるくると航海させられました。
果たしてこれは、長く航海したといえるのでしょうか?
みなさんお分かりの通り、長く振り回されていただけなのです。
自分は人生を本当に生きているのか?振り回されているだけではないか?
今一度振り返ることが大切です。
人生を長くするための時間の使い方
では、実際に人生を長くするためにはどうすれば良いのでしょうか?
それは、先延ばしにしないことと、過去と向き合うことです。
先延ばしにするな
やりたいことがあったけど、将来のことを考えると動けず、結局しなかったという経験はありませんか?
セネカは、先延ばしにすることは「人生最大の損失」だと話しています。
先延ばしは、次から次に、日々を奪い去っていく。それは、未来を担保にして、今この時を奪い去るのだ。生きる上での最大の障害は期待である。期待は明日にすがりつき、今日を滅ぼすからだ。
ーセネカー
人生はいつ終わるかわかりません。
将来のことを考えて計画を立てることも大切ですが、”今を犠牲”にしてはいけません。
なぜなら、先延ばしをし続けた先に待っているのは、「何もしなかった自分」だからです。
過去だけは所有できる
セネカは、過去に向き合うことを大切にしなさいと言います。
なぜ過去が大切なのかというと、過去だけは誰にも奪われない財産だからです。
人生は、三つの時に分けられる。過去と、現在と、未来だ。これらのうち、われわれが過ごしている現在は短く、過ごすであろう未来は不確かであり、過ごしてきた過去は確かである。過去が確かであるのは、そこには運命の力が及ばず、だれの自由にもできないからだ。
ーセネカー
つまり、先延ばしにせずに自分の時間を生きた経験は、一生自分の過去の中に保存され、いつでもそれを引き出せます。
その引き出せる過去の時間こそ自分の時間であり、その時間が長ければ長いほど人生を長く生きたといえるのです。
まとめ
今日は、セネカの「人生の短さについて」を紹介しました。
この本からも分かるように、人の悩みは2000年前から変わっていません。
本書にも書いてありますが、本を読むメリットはそこにあります。
過去の偉人たちも私たちと同じように悩んでいました。
本を読むことで、悩みに対してどうやって乗り越えたか、どうやって答えを出したのかが学べるのです。
もし、解決できない悩みがあるなら、偉人たちの考えを学んでみるのはいかがでしょうか。
私たちに自分の時間を生きるヒントをくれるはずです。